今こそ対等な日米同盟を

 このCSISの報告書は簡潔ではあるが端的に日米同盟の重要性を述べている。この極度に不安定な時代だからこそ、安定と継続の重要な源である強固かつ対等な日米同盟が必要であると。

 日本はかつてない程にリーダーシップを発揮している。地域の課題をしっかり捉え、FTAや多国間協力を先導し、地域の秩序を形成するために新しい戦略を導入した。具体的には、日本國憲法のもとで集団的自衛権を行使できるようにしたり、TPPをまとめ上げたり、自由で開かれたインド太平洋戦略を提唱して推進したりしたことを指しているのだろう。報告書は安倍晋三前首相を高く評価している。その上で、安倍前首相を継いだ菅首相にも大いに期待しており、いち早く次期米國大統領と会うことを願っている。チャイナの台頭に抗するためにも、國益と価値観の多くを共有する日米同盟の深化は欠かせない。

 上述のような日本の存在感の高まりから、日米同盟は相互運用性から相互依存へと姿を変えつつある。地域におけるチャイナと北朝鮮の脅威が大きくなる一方である現状では、日米同盟をより強固にするだけに留まらず、ファイブアイスに日本を加えてシックスアイズにすることも重要だ。日米豪印のクアッドの役割もより重要になる。同時に、日米韓の協力を推進するために日韓関係の改善の必要性にも言及しているが、この点はなかなか難しい課題かもしれない。もう韓国にはホトホト疲れたというのが多くの日本人の本音ではないだろうか。

 いずれにせよ、この文脈で私が来年以降に期待することは、米國のTPPへの参加と日米の(主に宇宙とサイバー分野での)軍事協力の更なる推進だ。最早米國に追従するだけという意識は実態とも乖離しているので捨てるべき。寧ろ対等な日米同盟を我が國が先導していくべきだろう。

 我が國にとって一貫して最も重要なことは、國體の護持である。そして現在二番目に重要なことは、チャイナ共産党としっかり対峙し抑えることである。この二点については多くの國民の共通の課題として認識を共有できるのではないだろうか。いつまでも寝呆けたままではいけない。

 

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