前途多難なバイデン氏

 来年の一月に実際に大統領が誕生するまで確たることは分からないが、ひとまずバイデン氏が過半数の選挙人を確保したと伝えられている。郵便投票を含めた選挙制度・運営の不備・不正の有無は分からないが、一つの節目は迎えたように思われる。さて、ここからが大変そうだ。

 首尾良くこのままバイデン氏が大統領に就任したとして、氏が強調するような「分断した米國の再統合」はかなり難しそうだ。そもそも今回の大統領選では、民主党はただただ反トランプでまとまったに過ぎず、本来であれば連携できないような考え方の集団が無理矢理に見かけ上一枚岩になっている。この「反」という概念は、最初は一定の勢いを獲得するが、そのうちその魅力のなさが露呈してしまうのである。何故なら積極性、夢や希望、魅力的な構想に欠けるからだ。「反」は「反」である以上、常に受け身であり、消極的だ。そこに明るい希望を見出すことは難しい。

 右や左という概念はそれを用いる人の立ち位置により変わるのであまり使いたくないが、敢えて使うなら、民主党は今回かなり左右に翼を広げてしまったので、バイデン氏が大統領に就任した後、その幅広い層にどのように満足してもらうか、非常に苦慮するだろう。そして期待した支持者達が裏切られたと感じて失望するのは早い。幅広い層が納得するような政権運営ができるか、早速正念場を迎えそうだ。

 しかし最も危機感を抱いているのは、ハリス氏が副大統領候補に据わっていることだ。もしかしたらバイデン氏が任期を全うできないかもしれないと言われる中、又嫌いな左右の概念を敢えて使うと、遠い左が遺漏なくハリス氏を大統領代行を狙える位置に据えた印象だ。この抜け目の無さが破壊活動家たちの手強さだ。ハリス大統領という悪夢を回避するためにも、個人的にはもしこのままバイデン氏が大統領に就任するのなら、任期をしっかり全うしてもらわないと困る。しかしバイデン氏の前途は多難だ。我が國もこれを契機として大きく動きたい。

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