もういい加減無理矢理誰かを叩くのをやめないか
東京オリンピック・パラリンピックの開閉会式の演出を統括する佐々木宏さんが辞任される話。佐々木さんについては正直よく知らないが、これで辞任させられていたら最早何も言えない世の中だ。
そもそも一年前のことが今更表に出て、それが理由で辞任させられることがよく分からない。
加えて、公の会議等での発言ならまだしも、内輪でのアイデア出しにおける発言で、しかも周囲から不適切と指摘され謝罪の上撤回しているらしい。それがそのまま正式案になり渡辺直美さんに打診して渡辺さんが不快に思ったのなら問題かもしれないが、そもそもアイデアの段階でボツになっている。それが理由で辞任させられるのなら、率直なブレインストーミングなど成立しない。多様性を失ったブレインストーミングなど無意味だ。
内輪での話がこう易々と表に出て問題にされることの方が問題であるともいえる。誰かがやっかみで佐々木さんを売ったのではないかとさえ思えるような展開だ。
更には、この佐々木さんの提案が本当に渡辺さんを侮辱するものなのか、ということ。渡辺さんも、ご自身の体型を利用してエンターテイナーとして活躍されている側面はある。勿論、自身で自身の体型をネタにするのと、第三者から体型をネタにする演出をされるのとでは、感じ方も違うだろうが、体型も売りにしながら渡辺直美というエンターテイナーを構築しているわけだから、それに触れてはいけないというのは少し都合がよすぎる批判に感じる。
兎に角誰かを叩きたくて、標的を探し回っているような嫌な空気がある。そして標的を見つけては、自分の主張を押し通したい人たちが便乗して無理矢理こじつけて自分の主張を展開する。多様性を主張する人たちが寧ろ多様性を失わせている。何だか胸に蓋をされるような気持ちになる。嗚呼厭だ。